宮崎あやとり同好会表紙
あやとりのレシピ紹介(文責 中武英則) 
 干支の辰

日本のあやとりの中に干支12支の動物を表したものがある。
子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥の12種類である。
世界中のレベルで見ると12全ての動物のあやとりがあるにはあるが、日本人のイメージで言えば寅や辰、未 申 亥はちょっと違うなあと思わざるを得ない気がする。
12支すべての動物のあやとりがあると面白いなあと考えて海外ネットも含めて探したが、自分のイメージする動物に合致したのは12種の内7つしかなかった。
 この中で「未」については以前に考案したあやとりをこのサイトの中の会員の作品紹介の欄で2021.11.9に掲出している。
 今回紹介するのは「辰」のあやとりで、これはドイツのマーチン・プロバート氏が1997年に考案したヒトコブラクダの取り方を発展させて作り出したものだ。
ヒトコブラクダの繰り返しでフタコブラクダとなり更に繰り返すとネッシーができるが、これをさらに続けて繰り返して作ったもので、辰のあやとりを工夫しようと考えた時にすぐにマーチンさんのネッシーは辰に変化できると思った。
あやとりとしての新工夫はなく単なる繰り返しの追加に過ぎないが辰らしい雰囲気は出せたかなと思っている。2023.12.11)
 ①人差し指の構え →②右人差し指のひもを向うへ一回転させる →③右親指を下から右人差し指のひも枠に入れて右小指手前のひもを移し取って帰る(小指のひもは外れる) →④右小指で右人差し指のひも輪の下から右親指向うのひもを越えて右親指手前のひもを移し取って帰る(右親指のひもは外れる) →⑤右人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる →⑥右人差し指で右親指の向こうのひもを下から移し取って帰る(右親指のひもは外れる) →⑦右親指を下から右人差し指のひもの輪に入れて右人差し指手前のひもを移し取って帰る(右人差し指のひもは外れる) →⑧右小指のひもにかかるパターンを左に寄せておく →⑨右小指のひもの輪を手前に一回転させる →⑩右人差し指のひもの輪を手前に一回転させる 
⑪ ③から⑧をもう一度行う
   ③右親指を下から右人差し指のひも枠に入れて右小指手前のひもを移し取って帰る(小指のひもは外   れる) →④右小指で右人差し指のひも輪の下から右親指向うのひもを越えて右親指手前のひもを移   し取って帰る(右親指のひもは外れる) →⑤右人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる →⑥右   人差し指で右親指の向こうのひもを下から移し取って帰る(右親指のひもは外れる) →⑦右親指を   下から右人差し指のひもの輪に入れて右人差し指手前のひもを移し取って帰る(右人差し指のひもは   外れる) →⑧右小指のひもにかかるパターンを左に寄せておく
⑫:⑨から⑪の動作を4回繰り返す
⑬:⑤から⑦をもう一度行う
    ⑤右人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる →⑥右人差し指で右親指の向こうのひもを下から    移し取って帰る(右親指のひもは外れる) →⑦右親指を下から右人差し指のひもの輪に入れて右    人差し指手前のひもを移し取って帰る(右人差し指のひもは外れる)
⑭右小指のひもの輪を向うへ一回転させる ⑮ →左人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる⑯ →左親指を下から左人差し指のひもの輪に入れて左小指手前ひもを移し取って帰る(左小指のひもは外れる) →⑰左小指で左人差し指の下から左親指向こうのひもを越えて左親指手前上のひもを移し取って帰る(左親指のひもは外れる) →⑱左人差し指のひもの輪を向うへ半回転させる →⑲左人差し指で左親指向こうのひもを移し取る(左親指のひもは外れる) →⑳左親指を下から左人差し指のひもの輪に入れて左人差し指手前上のひもを移し取って帰る(左人差し指のひもは外れる) →㉑左小指のひもの輪を手前に半回転させる →㉒人差し指のひもを外して、ひもを強く引き合って両手間のパターンが左側に動いて干支の辰に形になるよう両手のひもを互いの引き合う →㉓ 完成
 
魚群を従えたボイ

パラオのあやとりで、ちょっと珍しい形に仕上がるので面白い。ISHINO KEIITIRO氏の「あやとりしてみよう」から引用しているが、一部手直ししてより取りやすくしたつもり。
ボイとはパラオのエイライ村のチャリド(パラオの地に生息する幽霊や何か次元の高い全知全能的な存在のようなもの)のことを言うらしい。
そのボイがアルカロンから帰ってくるときに、海のすべての魚が長い行列を作って彼の後を追ってきたそうで、一種の英雄伝説だと思われる。
出来上がりの形は右のボイが太い綱で左の魚の群れが入った網を引いているように見える。ボイと網の間に見える繋がった輪が長く伸びているように見える取り方は珍しい気がする。
(2023.12.20)
①右手で握るひもが上に来るように両手指先に小さな輪を作る→②右手人差し指を向うから小さな輪に入れ、左人差し指を手前から手前に垂れた大きな輪に内側から入れた後小さな輪に向こうから入れ、人差し指から大きな輪を外す →③人差し指を左右に引くと両手間の中央部に小さな輪ができているのが確認できる →④人差し指のひもを親指と小指にかけ直す →⑤右の人差し指で左手の掌の横ひもを取る →⑥左の人差し指で右手の掌の横ひもを取る →⑦親指で人差し指手前のひもを取り、ナバホ取りする →⑧小指で人差し指向こうのひもを取り、ナバホ取りする →⑨人差し指のひもを外す →⑩両手の親指と親指、小指と小指の先をくっつけて左手のひもを右手に移す →⑪左親指を右小指の輪に小指の付け根側から入れて2本のひもを移し散る →⑫小指で親指向こう下のひもを爪側で撥ねて取る →⑬カロリン展開(人差し指で親指向こうのひもを取り、親指でそのひもを人差し指に押し付けながら掌を向うに向けて展開する) →中央でひもの絡んだ「二人の酋長ができる」 →⑭左指先を下に向けて左手からひもをすべて外して下に置く(右手は最後までカロリン展開した形のまま保持する) →⑮両手間の中央部にできている長四角形の上の水平ひもを上側から(外側から)左小指で、下側の水平ひもを下側から(外側から)左親指で取る →⑯左親指で左小指手前のひもを取る →⑰カロリン展開(左人差し指背で左親指向こうのひもを取り、親指でそのひもを人差し指押し付けながら掌を向うに向けて展開する) →⑱左親指手前の2本のひもを摘まんで左手から全部のひもを外す →⑲左親指を摘まんだ手前のひも枠に(前の人差し指のひも輪)向うから、左小指を摘まんだ向こうのひも枠に(前の人差し指のひも輪)手前から入れて取り、摘まんだひもを放す →⑳⑯~⑲を繰り返す →㉑⑯~⑲を繰り返す →㉒左親指で左小指の手前ひもを取る→㉓左手でカロリン展開して整形 →㉔完成
 
お守り

日本のあやとりで「さいとうたまあやとりコレクション」に1975年広島県の女性から聞き取ったとあるようだ。出来上がりの形はすっきりしてきれいな対称形をしており、美しい。世界のあやとりの中にもありそうな気がするが現在の所その言及はない。取り方はどちらかと言えば簡単と考えれられているが案外難しい。それだけにきれいなできあがりに仕上がったときの満足感は大きい。
 お守りの意味は昔の子どもの着物の背に付けられた魔よけの模様のことで、現に宮崎あやとり同好会の会員の中にも「あああれね」と思い出す人もいたほどで、広く国内で取り入れられていた風習で、子どもの長生きを願う着物の模様のこと。
 もちろん、お守りにも簡単な模様から複雑な模様まで様々なかたちがあって、さいとうたまさんが聞き「取った模様はまさに左右対称の美しい形で、背縫いにつける「背守り」模様としてはいかにも相応しい上品なものだ。
 
 ①中指の構え →②親指の輪に返し取りする →③小指の輪に返し取りする④→親指の背で中指の手前ひもを取って中指ひもを移し取る ⑤小指手前のひもを下から小指で取って両手の背にひもが2本かかるようにする→⑥中指・薬指・子指を握って人差し指を立てる →⑦両手の背の2本のひもをずらしながら外して人差し指にかかるようにする(田んぼを作る)→⑧親指の向こうから人差し指の向こうに斜めにかかるひもを小指の背で撥ね取る →⑨親指ひもを外す →⑩親指を人差し指のひも枠に下から入れて親指腹で人差し指向こうひも2本を引き下げ、小指にかかったひもより更に下まで引き下ろして手の平を開いて向うに向ける →⑪中央の大きなひし形のひも枠があることを確認する →⑫左右の親指と人差し指の先を合わせて中央の大きなひし形のひも枠の中から手前側に突き出して両手のひもを張る→⑬両手間の中央に見える平行した2本のひもの、上側(向こう)の三角枠に人差し指を、下側(手前)の三角枠に親指を、入れて平行した2本ひもの間から突き出して両手指を緊張させる →⑭両手間にできた6角形のひも枠に向こうから左小指を伸ばして突き出す →⑮右の親・人差し指で左小指にかかったひもを摘まんで向こうに半回転させて親・人差し指にかける →⑯同様に右小指を伸ばして突き出してかかっているひもを、左親・人差し指で摘まんで反回転させて左親・人差し指にかける →⑰両手間のひもをしっかり緊張させる →⑱人差し指向こうの横ひもを外す →⑲ 今外して両手間にできた横ひもの上を越えて人差し指を伸ばし、親指向こうから人差し指向こうに走る上下2本ひもの上側のひもを背側で撥ねて取る →⑳親指手前の横ひもを外す →㉑今外して両手間にできた横ひもの上を越えて親指を伸ばし、親指手前から人差し指手前方向に走る上下2本ひもの上側のひもを背側で撥ねて取る ㉒親・人差し指間のひもの形が整っていて中央にひし形のひも枠があることを確認する →㉓両手間の中央にあるひし形のひも枠に両手の親・人差し指を入れて少しづつ左右に開きながら整形 →㉔完成
 
 ユリの花とトンボ

ユリの花としたが六弁花の花はほかにもあるが私の好きな花で、形がきれいですっきりしているユリの花とした。あやとりとしても良い作品に見える。
ユリの花にトンボが寄ってくるかどうかは知らないが、茎頂に花をつけるので多分止まりやすい花の一つだろうと思われる。このトンボは目玉がはっきりしていてトンボの感じがよく出ているように見える。
 ①親指にひもをかける →②左親指の向こう紐を右の小指で向うから腹側で掬い取って右小指を伸ばす →③左小指でさっき掬い取った右小指手前ひもを付け根側から取って両手を開く →④両小指の手前にかかった水平のひもを左右の人差し指背で撥ねて取る →⑤両掌の横ひもを左右中指で取りっこする →⑥右手で左小指の向こう紐を摘まんで左小指から外してそのままひねることなく摘まんだ右親指が下になるようにひもの上下を逆にして左親指にかぶせる →⑦左手で右小指の向こう紐を摘まんで右小指から外してそのままひねることなく摘まんだ左親指が下になるようにひもの上下を逆にして右親指にかぶせる →⑨親指のひもでナバホ取りし各指のひもの長さを均等になるように調整する →⑩手からひもを外して机上に置き整形してユリの花完成→⑪机上に置いた花型のひもをよく見て、右人差し指の手前にかかっていたひもを少し引いてみて、今引っ張ったひもにつながった引っ張られるひもを見る →⑫引いたひもが胴体、引かれたひもが頭になって左右の二枚づつの羽根ができるかどうか見極める。(左右の羽根ができて頭と胴体ができるようなひもの引っ張り方がポイント)→⑬見極めたひもを引っ張りながら形を整えてトンボの完成 →⑭トンボの頭の部分を下側に折り返して目玉を作る →完成
 
  ラタンの吊り橋

パプアニューギニアのあやとりで故野口廣氏が1984年に現地で採集したといわれている。
ラタンは藤のことで日本では四国の祖谷の吊り橋が有名だが材料はフジではなくてシラクチヅル(サルナシ)の蔓でできていると言われているが、ラタンの方はヤシ科のつる植物(日本では籐:トウと呼ばれている)の蔓のことらしい。
普通の本やネットでは井戸かその次に展開する井戸の囲いを紹介した作品が殆どだが、このラタンの吊り橋が載っているものはあまり見ない気がする。両側が手すりで下の2本のひもが足で渡る橋の基本部分と思われる。
(2023.1.8)
  ①人差し指の構え →②人差し指を上から小指のひも枠に入れて向う~下~手前へと回して小指手前のひもと人差し指向う・手前のひもを腹側で巻き取って元の位置に戻る →③小指のひもを外す →④中・薬・子指を人差し指の向こう紐の上に乗せそのまま2本のひもを掌に握りこむ →⑤親指のひも輪に向うから中指を突き入れてひもを移し取る →⑥今とった中指のひも輪に手前から親指を突き入れ、左右の人差し指にかかった2本ひもの下側(指の付け根側)の斜めに下ったひもを背側で掬い取る →⑦整形して井戸の完成 →⑧親指のひもをそっと外す →⑨人差し指上側のひもにかかったひもが円形に垂れていることを確認する →⑩左親指を円形に垂れたひもの左側のひもの外側(ひもの側)から入れて左親指の背側に当たるようにした後、もう少し右方向に動かして右側のひもも左親指の背側に当たる位置まで動かす →⑪左親指び付け根側のひも(垂れたひも輪の左側にあったひも)を右親指の背で掬い取って左親指から外す →⑫両人差し指にかかった水平ひもから垂れたひもが左右交差していないことを確認する →⑬左右の垂れたひもの輪に親指を突き入れ、両糸差し指の2本ひもの下側にある斜め下に走るひもを親指背側で掬い取る →⑭整形して完成
 
 8つのダイヤモンド

あやとりでは1段梯子から10段梯子までの「はしご」があるようにダイヤにも1つのダイヤから様々な数のダイヤの取り方があり、14個のダイヤもあります。
中でも7つのダイヤは特によく知られていて本でもネットでも広く紹介されいますが、この8つのダイヤは殆ど知られていませんが、よくできていて取り方も簡単で出来上がりの形も面白い。
これは日本のシシドユキオさんが1981年に考え出したあやとりで、最近、イシノさんが開設しているあやとりブログ:あやとりしてみよう:に取り方も含めて紹介されている。
殆どがイシノさんの紹介解説の引き写しになるが、私なりに少し初心者にわかりやすく説明したレシピを作ったので、紹介します。なお、シシドさんがISFAに投稿した記事はあるが、それの翻訳は私には難しい。 
 ①始めの構え →②右小指のひもを外す →③右親指のひもの輪を向うに2回転させてひもを捩じる →④右小指の背側で右親指の向こう紐を下から撥ねて取る →⑤親指を小指向こう紐の上に乗せて親指の背側で、下~手前へと回して取る →⑥右人差し指で右小指手前ひもを上から引っ掛けて取った後、さらに右親指の向こう紐の上に乗せ上~下~向うへと回して人差し指にかける →⑦右中指の背側で、右小指のl手前から右人差し指向こう紐ににかかって折れ曲がって中央方面に向かうひもを折れ曲がった先で下から、撥ねて取る →⑧左人差し指で右人差し指手前のひもを手前(親指側)から、左中指で右中指向うのひもを向うから(右小指側から)掬い取る →⑨右小指の背側で中指向こうのひもの上から左掌のひもを取る →⑩左親指の背側で人差し指手前のひもの上から右掌のひもを掬い取る →⑪右親指で右小指手前のひもを、左親指で左親指向こうのひもをそれぞれ取る →⑫人差し指と中指のひもをそれぞれ外す →⑬親指手前にかかった2本のひもの内の水平にかかったひもが上側になるように動かす。 ⑭小指向こうにかかった2本のひもの内の水平にかかったひもが上側になるよいうに動かす →⑮親指と小指でそれぞれナバホ取りする →整形して完成
 
A Bridge(橋)

ISFAの現会長であるアメリカのマーク・シャーマン氏が考案して1991年に発表した作品。
取り方そのものは難しくはないが指の使い方で細かい努力が要求されるのできれいな橋の形になるまで繰り返し練習する必要がある。
出来上がリの形はすっきりして日本の橋(太鼓橋風の中央部が高くなった)の感じもあるいい作品に思える。
しかしながらA地点とB地点を結ぶだけの工夫である単純な橋を形作るのにこんなややこしい21回の手順が必要とはちょっと納得できない気がしないでもない。
手元のあやとり本を見てみると世界にある橋のあやとりは、つりはし(日本)、鉄橋(日本)、ロープの吊り橋(パプアニュウギニア)、ラタンの吊り橋(オセアニア)、 それとこのA Bridge(橋)アメリカ)ぐらいしか出てこない。これらも意外と取り方は難しい。単純な出来上がりでそれなりに橋のイメージのある作品を作ることは案外に難しいということだろう。 (2022.7.3)
 ①人差し指の構え →②親指のひもを外す →③右親指で右人差し指手前ひもを上から下~手前へと巻き付けて取る →④左親指で右親指を取り巻いたひもを下から(付け根側から)取ってひもを共有する →⑤子指のひもを両手とも手前に一回転させる →⑥親指をすべてのひもの下を通って小指向こうのひもを背側で取って元の位置に帰る →⑦中指の腹側で小指手前ひもと人差し指の前後のひもを下から引っ掛けた後、中指を親指の向こうひもの上に乗せ、手前~下~向こうへとひもを回してひねって取る →この時両親指を底辺とする三角形ができる →⑧親指を人差し指のひもの枠と中指手前のひもの下を通して伸ばし、小指手前からきているひもの中央寄りの位置で上に乗せ、向こう~下~手前へと回して、両親指をさっきの三角形の枠に下(向こう)側から入れて手前側に突き出す →⑨中指のひもを外す →⑩左手の親指と子指間の掌を横に走ったひもを左親指向こうの位置で右手で摘まんで、反時計回りに半回転させて左親指にかける →⑪右手の親指と人差し指間の掌を横に走ったひもを右親指向こうの位置でで左手で摘まんで時計回りに右親指にかける →⑫中指を親指のすぐ近くで親指のひも枠に上から入れて親指向こうのひもの内の一番下のひもを背側で撥ねて取る →⑬親指のひもを外す →⑭中指のひもを親指に移す →⑮中指・薬指を小指近くで小指のひも枠に上から入れて小指手前のひもを掌に押さえ小指を放す →⑯小指を中指・薬指に沿える →⑰中指で中指手前のひもを引っ掛けたまま人差し指のひもの枠の下を通って親指ひも枠に上から入れて、親指向こうのひもを中指・薬指で摘まんでひねって取り小指を放す →⑱薬指・小指を中指の輪の中に入れて握り直す →⑲親指から小指に走った掌のひもにかかった上下のひもの間に中指・薬指を向うから入れて下側のひもを中指で引っ掛けて下~向こうへと回して取り小指ひもを放す →⑳薬指・小指を中指に添えて握り直す →㉑人差し指のひもを外す →㉒人差し指背で親指手前のひもを撥ねて移し取り、整形して完成
 
一瘤ラクダ

 (ドイツのマーチン・ボロバートさんが1997年に考案した作品。)
このヒトコブラクダの途中で⑩~⑪をもう一度繰り返すとフタコブラクダになり、さらに⑩~⑪をもう一度繰り返して取るとネッシーができる。ネッシーは会員の作品紹介の中に画像を乗せている。取り方はパターン化していて難しくはないが、似たような動作を繰り返すので、途中でどこまで取ったか迷うことになり完成までなかなか届かない内にもう一度始めから取り直すことになってしまう。 
最後までできた場合は30回の手順を正しく取った証明でありかなりのあやとり名人と言える。
(2022.4.25)
  ①人差し指の構え →②右人差し指のひもを向うへ一回転させる →③右親指を下から右人差し指のひも枠に入れて右小指手前のひもを移し取って帰る →④右小指で右人差し指のひもの輪の下から右親指手前上のひもを移し取る →⑤右人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる →⑥右人差し指で右親指向うのひもを移し取る →⑦右親指を下から右人差し指の下のひも枠に入れて右人差し指手前上のひもを移し取る →⑧小指のひもの輪にかかるパターンを左側に寄せておく →⑨右小指のひもの輪を手前に一回転させる →⑩右人差し指のひもの輪を手前に一回転させる →⑪ ③~⑧をもう一度行う③右親指を下から右人差し指のひも枠に入れて右小指手前のひもを移し取って帰る →④右小指で右人差し指のひもの輪の下から右親指手前上のひもを移し取る →⑤右人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる →⑥右人差し指で右親指向うのひもを移し取る →⑦右親指を下から右人差し指の下のひも枠の中に入れて右人差し指手前上のひもを移し取る →⑧小指のひもの輪にかかるパターンを左側に寄せておく→ ⑫⑤~⑦をもう一度行う⑤右人差し指のひもの輪を向うへ一回転させる →⑥右人差し指で右親指向うのひもを移し取る →⑦右親指を下から右人差し指の下のひも枠の中に入れて右人差し指手前上のひもを移し取る→⑬右小指のひもの輪を手前に一回転させる →⑭左親指を下から左人差し指のひもの枠の中に入れて左小指手前のひもを移し取って帰る →⑮左小指で左人差し指の輪の下から左親指手前上のひもを移し取って帰る →⑯左人差し指のひもの輪を向うに半回転させる →⑰左人差し指で左親指向こうのひもを移し取る →⑱左親指を下から左人差し指の下側のひもの枠に入れて左人差し指の手前上のひもを移し取って帰る →⑲左小指のひもの輪を手前に半回転させる →⑳人差し指のひもを外して調整する→㉑完成
 
 ヘビ(ガイアナ)

 出来上がりの形から多分コブラの仲間の蛇のことだろう。コブラには多くの種類があって南アメリカにも居るらしいのでガイアナにいても不思議ではないだろう。
 世界のあやとりに多くのヘビがあるが、殆どは全体がヘビのひょろ長い形をして木に登るようなものが殆どだが、このヘビはまさに立ち上がって威嚇する様子を表していてわかりやすく、ああコブラだとすぐにわかる。ISFAのサイト2003 年のVol8のNo2でSnakeとして紹介されており、Walter Roth from thw Warrau Indians of Guyanaのコメントがある。この取り方とは変化している方法で記載したイシノさんの公開しているサイト「あやとりしてみよう」を参考にした取り方でレシピを書いている。
(2022.3.4)
 ①始めの構え(両手の親指と小指にひもをかける) →②右手で左掌のひもを持って左手の小指の外側(向う側から)下に回し左手親指のひもの下に回して左親指手前側から上に出して左手の親指・小指のひもを巻くようにする →③右手で持ったひもを今巻いているひもを同じようにもう一回巻き付けて合計2回巻き付けるようにして右手親指・人差し指でひもを摘まんで上に掲げる →⑤右手親指・人差し指で摘まんだひもの輪を左手親・人差し指に持ち替えた後、今左手で摘まんだひもの輪に上から右手の親指と人差し指を深く入れる →⑥右手親・人差し指を大きく開いて、人差し指手前ひもを人差し指腹で、親指手前ひもを親指腹で押さえて親指先と小指先をくっつける →⑦右手親指と小指を巻いたひもの下側のあって親・子指に共通してかかっているひもを左手で引っ張って右親・子指から外す(画像⑦を参照) →⑧左手親・子指で左人差し指と左親指にかかったひもの輪を摘まんで引っ張り大きな輪にする →⑨今できた大きな輪に手前から(右手親指側から)左人差し指を入れて左に伸びた2本ひもの上を通して右小指向こうひもまで貫いて左人差し指に2本のひもがかかるようにする →⑩左手人差し指で右手の平の横ひもを取る →⑪左手人差し指のひも下の(指付け根側)2本のひもをでナバホ取りで外す →⑫右手親指のひもを手前に半回転させてかけ直す →⑬全体を整形して完成
 
            ⑦の画像
二羽のハチドリ
(カナダ バンク-バー)

カナダのバンクーバー島のクワキトール族からジュリア・アヴェルキエワさんによって収集されたあやとりです。
伝説によると誰かが入浴によって身体を清める時、ハトドリは彼の身体を覆い、儀式の一部として彼の血を吸うというという。(ISFAのあやとり解説より)

ハチドリは南北アメリカに住む超小型の鳥でホバリングしながら花の蜜を吸えるように特殊な進化を遂げた鳥。
(2021.10.23)
① ナバホの構え →②親指のひもを上下逆になるようにしてかけ直す(人差し指手前のほもと親指手前のひもが水平な横ひもになるように)  →③親指の背で人差し指向こうのひもを人差し指手前ひもの下から取る →④中指の背で親指向こうのひもを撥ねて押しのけ、中指の腹側を人差し指手前ひもの上に乗せて下に引き下ろす →⑤中指に小指薬指を添えてひもを握る →⑥中指の背に当たっているひもを向こうへ押しのけて中指を伸ばす →⑦左右の中指先を近づけて左中指の腹で右中指のひもを向こうから取り、同様に右中指の腹で左中指の背のひもを取る →⑧中指は曲げたまま、親指から小指の横ひもにかかった縦のひもを中指の背で撥ね取って中指を上に伸ばす →⑨中指のひもわくに指先側から親指を入れて中指向こうひもを移し取る →⑩親指のひも枠に人差し指と中指を向こうから突き通した後、親指手前の横ひもを人差し指で上~手前 ~下~向こうへと巻いて取る →⑪親指ひもをはずす→⑫薬指・小指で持ったひもをひも群の下から親指で向こう外側から手前側へ移し取る  →完成
 
 二匹のスカンク
(北米クラマスインデイアン)

クラマス族とは北米オレゴン州、カリフォルニア州ににまたがって居住していたネイテイブアメリカンで、多くのあやとりが残っているようだ。
多分スカンクは生活の周辺に多くて馴染みの深い動物だったのだろう。
画像は二匹のスカンクが互いにお尻を向けあって臭い臭い出す様子を表している形を表現していると思われる。
スカンクはお尻から強烈な臭いのガスを3mほども飛ばしてついた臭いはなかなか消えないらしい。
せっかく苦労して覚えたあやとりも暫くすると取り方を忘れてしまうことが多いが、スカンクの臭いのように簡単には消えないよう気持ちを込めて覚えて欲しいものだ。
2021.7.25(中武)
①人差し指の構え →②人差し指を小指枠に上から入れて小指向こうひもを人差し指爪側で撥ね取って上下逆になるよう人指に移し取る(小指ひもは外れる) →③人差し指にかかった下側のひもを2本とも(人差し指の向こうと手前のひも)中・薬・小指で握りこんで掌に押えつける →④中指の背で親指向こうひもを遠く(向こう)へ押しのけて、人差し指手前の横ひもを中指の腹側で押さえて中・薬・小指のひもを外しながら手の平に押し付ける→⑤中指に中・薬・小指を添える →⑥中指を外して人差し指のひも枠に下から入れ、人差し指を親指手前の横ひもの上に乗せて親指手前の横ひもを中指・人差し指で挟んで手前から下へと回して人差し指に巻き取る→⑦親指のひもを外す →⑧人指手前のひもで右カティルク →⑨人差し指ひもを外す→⑩親指のひも枠に上から人差し指を入れてひもを移し取る→⑪親指を両小指にかかった横ひもの下に伸ばして図形中央を横切る2本ひもの上に乗せ、ひもを下に押し下げてそのまま親指を下~手前へと回転させてひもを巻き取る →⑫親指ひも枠に下から人差し指を入れて親指向こうの横ひも2本を撥ねて取る(この時人差し指のひもは、前からかかっていたひもが今取った2本ひもの上側(指先側)に来るよう調節する)→⑬親指ひもを外す →⑭人差し指の指先側にかかったひもの手前側のひもを親指で取って人差し指のひもを全部外す→⑮親指ひも枠に下から人差し指を入れてひもを移し取る→⑯中央の山形になったひもの内側(中央三角の斜辺)のひもが、両小指をつないだ横ひもに絡んだ位置が見えるようにひもを調整し、両小指を繋いだ横ひもの接する手前のひもを下から親指爪ですくい取る →⑰ナバホ取りして人差し指を外す →⑱⑮⑯⑰を繰り返す→⑱ひもを調整して完成
 
 オームの篭
(Claws of the Grey Parrot)
会員の作品紹介にある通り西アフリカのあやとりで、当然に地域のよって呼び名も変わっている。大体parrot cage(おうむの篭)だが中にはTwo Villages of war(戦争中の2つの部族と訳すのか?)と呼んでいるものもあり意味は不明。
ネットのあやとりしてみよう(ISHINO Keiichiroさんのサイト)に紹介されている、「おうむの篭・漁網」の取り方を参考にするとともに末尾記載の文献を読みながらできるだけ原文に忠実にしかも分かりやすく取り方を示したつもりです。
①中指の構え →②小指のひもを薬指に移す →③親指のひもを人差し指に移す →④両手5本指を握る→⑤右手の甲を上に向ける →⑥左手で右手薬指の甲のひもを少し引っ張って反時計回りに90度捩って中指の背のひもの上に重ねる →⑦重ねたひもの中から中指のひもを摘んで少し引き出して反時計回りに90度捩って人差し指の背のひもの上に重ねる →⑧重ねたひもの中から人差し指のひもを摘んで少し引き出して反時計回りに90度捩って親指にかける →⑨左手でも同様な操作を行う →⑩親指で人差し指手前ひもを下から取ってナバホ取りする →⑪以下両手間の5本のひもを手前側から1本ずつ順次親指で下から取ってナバホ取りを繰り返す →⑫小指を折り曲げて背側で親指の手前ひもを撥ね取って親指ひもを外す →⑬親指を上側に向けて両指を広げて展開する→⑭人差し指前の左右のひも枠の最上段のひも枠に親指を手前から入れて整形する →完成 →⑮小指のひもを外すと同時に両手をパンと叩いて両手を広げると最初の形に戻る。
 
 アビ(the loon)
アビは北の方から冬季に渡来する潜水鳥で古名カズクドリ(潜鳥)、平家鳥とも呼ばれる鳥ででイヌイットのあやとりの中に紹介されている。平家鳥とはグエー、グアーと鳴く声が壇ノ浦での平家滅亡を悲しむように聞こえるからという。
できあがりの形がすっきりとしていかにも海に潜って小魚を捕るのに適した形に見え、最後に親指でひもをピンと張ると長い首が見えてくるところも面白い。(英名:red throated diver)
①人差し指の構え → ② 人差し指で親指手前のひもを上から手前~下~向こうへと回して人差し指に掛け親指ひもを外す →③小指ひもを外す →④左親指を左人差し指手前下のひもの上から左人差し指向こう上側のひもを爪側で掬い取る →⑤右親指爪側で右人差し指手前下側のひもを掬い取る →⑥中指・薬指・小指で上から人差し指向こう下側のひもを握って中指・薬指・小指の指先が掌につくまで握り込む→⑦左中指を伸ばして左人差し指手前下側のひもを押さえ、右中指を伸ばして右人差し指向こう上側のひも上から押さえる →⑧両方の薬指・小指で押さえているひもを外して、そのまま薬指・小指を中指に添えてひもを一緒に握り込む →⑨中指を伸ばして人差し指向こう下のひもを背側で押しのけて人差し指手前上側のひもを腹側で押さえて引き下げる →⑩⑦と同じように左中指を伸ばして左人差し指手前下側のひもを押さえ、右中指を伸ばして右人差し指向こう上側のひも上から押さえる →⑪⑧と同じように両方の薬指・小指で押さえているひもを外して、そのまま薬指・小指を中指に添えてひもを一緒に握り込む →⑫中指の背側にあるひもの枠に下から中指を入れてそのまま真っ直ぐに伸ばす →⑬両中指を曲げて指先を近づけ、右中指腹側で左中指向こう側のひもを引っかけて移し取る →⑭左中指の腹側で右中指の背側にあるひもを引っ掛けて移し取る →⑮中指にひもを引っかけてまま両手のひもを緊張させて引っ張っりあう →⑯両親指手前の横ひもを中央付近で、両中指背で下から取って中指で作ったひも枠に突き入れて中指を伸ばす →⑰親指ひもを外す →⑱親指で人差し指から中央下のひもの合わさったヶ所に走るひもを右カティルク(右親指で左親指のひもを取り、左親指で右親指に2本のひもを下から取ってひもを共有する) →⑲親指で中指手前ひもを取ってナバホ取りする →⑳中指ひもを外して整形 →完成
 
二羽の鶴
(神谷和男氏創作)
二重ナバホの取り方を使って単純な取り方ではあるがいかにも日本的なあやとりができている。あまりネットでも公開されていないのは何故だろうか。
2000年に発行されたtable of contents-volme7,0
で取り方とできあがり図が」公開されているのに。 
2021.3.10投稿
①人差し指の構え →②親指のひもを向こう側へ捩って一回転させる →③親指の背でで人差し指のひもを越えて小指の手前ひもを取る →④親指に掛かった2本のひもで二重ナバホ取りする →⑤小指の背で人差し指のひもを越えて親指向こうのひもを取る →⑥小指にかかった2本のひもで二重ナバホ取りする →⑦もう一度親指の背で人差し指のひもを越えて小指手前のひもを取る →⑧親指にかかった2本のひもで二重ナバホ取りする →⑨人差し指のひもを外して両手を開く →⑩整形して完成 
 
聖なるサークル
(北米先住民)

輪、リング、円形その他の言葉で表現されるサークルは古来世界中で神聖視されて、太陽や月に象徴される繰り返し、現在と未来の循環、命の再生等を表している。アメリカ先住民の間でも サークルは全体と無限のシンボルで、キャンプフャイアーの周りに座っている人びとの一体感を表しているということのようだ。
北米先住民の文化の信奉者が新しく作り出したあやとりのようで、いかにもアメリカ先住民の暮らし方や文化を表現した良いあやとりだと思える。
(2021年1月9日投稿、コロナウイルス感染対策に伴う宮崎県独自緊急事態宣言下での自宅待機の中でマスターし作成した)
 ①人差し指の構え →②薬指で人差し指向こうひもを取る →③中指前の横ひもを右手、左手の順に互いに中指で取り合う →④親指を手前~下~向こうへと一回転させてひもを捩じる→⑤人差し指~小指までの五指のひもをそれぞれ向う~下~手前へと一回転させてひもを捩じる →⑥親指を人差し指のひも枠に上から入れて人差し指向こうのひもを背側で掬い取り、順次中指、薬指でも同様にしてそれぞれのひもの枠の向こう紐を掬いとる →⑦そのまま親指先を折り曲げて薬指手前ひも、中指手前ひもを手の平に押し付ける →⑧親指の中央寄り(手のひら側)にある先ほど掬い取った三本のひもの下に人差し指を差し入れて指先で小指手前のひもを引っ掛けてとり、それを親指で移し取る →⑨ひものたるみをとる →⑩小指のひも枠に上から小指と薬指を入れて小指手前の上のひも、上下になった薬指の上側のにひも、上下になった中指の上側のひもを(計三本のひも)の下をを通して人差し指手前のひもに乗せる →⑪薬指で補助しながら小指を伸ばして親指向こうのひもの上に乗せ、上~手前~下~向こうへと巻き取って元の位置に戻る →⑫ひものたるみをとって整形する →⑬人差し指、中指、薬指のひもを外して整形する →⑭小指のひもで逆ナバホどりをする →⑮親指のひもで二重ナバホ取りをする →⑯整形して完成             
                         
 
海上のタコ(創作).

あやとりとはひもの輪を両手10本の指を動かして、出来上がった全体の形を、見る人がイメ-ジしたものに見立てて遊ぶことだが、当然に人によって見立て方は違ってくる。右の画像は作者には、海底にいるタコが海上に浮き上がって波間に漂っているように見える。
(2020.12.11)投稿
 ①日本の構え →②親指の背で中指の向こう紐を取る →③小指の背で親指の向こう紐を撥ねて取る →⑥左手の平にかかった2本紐の内の中指から親指にかかったひもを右手人差し指で取る ⑦右手の平にかかった2本紐の内の中指から親指にかかったひもを左手人差し指で取る →⑧小指の向こうで横(水平)にかかっているひもを外す →⑨親指手前で横(水平)にかかっているひもを外す →⑩整形して完成
 
 庭の野菜
(vegetables in a garden)イギリスのマーチン・ボロバーさんが考えた新作 。昔から伝えられたあやとりと違って現在の家庭菜園をヒントに作られた作品だとすぐに分かる。
蠅取り紙のあやとりのように最後の指の動きで野菜が四本出来るか、3本できるか、またはまったくできないか、取ってみないとわからない面白さがある。
(2020.9.1)投稿
 ①人差し指の構え →②親指で下から人差し指手前のひもをとる →③中・薬・小指で下から人差し指向こう紐をとる →④人差し指からきている親指手前ひもを手首に落とす →⑤親指のひもを手前に一回転させる →⑥小指のひもを向うへ一回転させる →⑦人差し指で親指のひもを下から取って移し取る →⑧薬指で小指のひもを下から取って移しとる →⑨手の甲のひもを外す →⑩両手を開いて両手間のひもを緊張させる →⑪両手間の中央部にできた四角形枠に下から親指と小指を入れて両手を開く →⑫左手の平の横ひもを右手人差し指と薬指でとる →⑬右手の平でも同様にする →⑭両手のひもを張ってひもを緊張させる →⑮人差し指でナバホ取りする →⑯薬指でナバホ取りする →⑰両手を張って調整して完成 
 
 大空を持ち上げる
Amet Dedogo Oeron (Holding Up the Sky)
黄道(ecliptic)

南太平洋のソロモン諸島、ナウル、ハワイなどに伝えられたあやとりで、空(天)を持ち上げる 
と現地では呼ばれているらしい。壮大な宇宙を見上げてあやとりの形を考え出す人々の発想力は素晴らしい。日本の佐藤哲生さんがナウルでの取り方に工夫して黄道の名でISFAに投稿している。

出来上がり図は左右非対称でバランスにかけるが、星が見えにくい現在の日本でのあやとりらしいと思って公開した。
2020.7.12)
いしK16氏のサイト取り方をを私流の表現で書いた。
 ①人差し指の構え →②小指ひもを外して、小指を人差し指ひも枠に下から入れて人差し指ひもを移しとる →③右手で左親指向こう紐を摘まんで時計周りに半回転させて左小指にかける →④右親指と右人差し指を左小指の先から入れて、今かかった左小指のひもの輪の中から、前からかかっていたひもをつまんで③でかけたひもと一緒に引き抜き、あらためて右手で摘まんだひもを左小指にかけ直す →⑤左小指から外れたひもが輪状になっているので、それを右手で摘まんで両手間の中央部まで寄せる → ⑥左手で右小指手前ひもを摘まんで時計回りに半回転させて右親指にかける →⑦④と同じ要領で前から右親指にかかっていたひもを右親指にかけ直す → ⑧⑤と同じ要領でひもの輪を両手間の中央近くに寄せる →⑨右手で左小指手前ひもを摘まんで反時計回りに半回転させて左親指にかける →⑩④と同じ要領で前から左親指にかかっていたひもをかけ直す →⑪⑤と同じ要領で両手間の中央付近に寄せる →⑫左手で右親指向こうのひもを摘まんで半時計周りに半回転させて右小指にかける →⑬④と同じ要領で前から右小指にかかっていたひもを右小指にかけ直す →⑭⑤と同じ要領でひもの輪を両手間の中付近に寄せる →⑮以下③から⑭までの動作を1~2回繰り返す→⑯両手中央付近に集まったひもの輪が中付近から等間隔に並ぶよう調整する →⑰人差し指を親指のひも枠に上から入れて親指手前ひもを撥ね取って親指から移す →⑱親指で下から小指手前ひもと人差し指手前ひもを取る →⑲人差し指ひもを外す →⑳人差し指で親指向こうひもを下からとって、そのひもを親指で人差し指に押し付けながら人差し指を伸ばす →㉑完成
 首狩り族の戦い(野口廣氏の著作あやとり続に紹介されているあやとりで、オーストラリアの近くのトレス海峡マレー諸島マア島で採取されたという。マレー島人とドオア島人の戦いで、⑪の場面で戦え!戦え!と言いながら左手でひもを引いて勝負するそうです。 (レシピ作成2020.4.15)  ①人差し指の構え→② 小指の背で親指手前のひもを移し取る→③親指を人差し指の下を通して小指手前の2本のひもを取って帰る→④ 小指のひもを外す→⑤ 小指の背で親指向こうの2本ひもを取って帰る→⑥ 両手小指をつないだひもでできた2本ひもの三角枠の両斜辺2本紐ひもを人差し指の背で外側(手の平側から撥ねて取る→⑦ 人差し指にかかった3本ひもを最下のひもでⅠ本でナバホ取りする→⑧ 親指のひもを全部外す→⑨ 人差し指を向う~下~手前へと3回回してひもを捩じる→⑩ 人差し指のひもを外してそのひもが下に垂れるように小指のひもを持ち替える→⑪ 左小指のひもを左側に少しづつ引くと、垂れた2つのひもが近づいて衝突しどちらかのひもが解けてなくなる(左右どちらかのひもをマレー族またはドオア族と決めておけば残ったほうのひも側の勝ちになる)人差し指の構えBで始めると左右逆になる。
人差し指Aの構え:親子指にひもをかけた始めの構えから右手人差し指で左手の平の横ひもを取って始める。
人差し指Bの構え:親子指にひもをかけてた構えから左手人差し指で右手の平の横ひもを取って始める  
 
 マヌジェの槍
(ナウルのあやとりで、野口ともさん著誠文堂新光社発行の世界の伝承あやとりシリーズの中のオセアニアのあやとり2の表紙を飾っている画像のあやとり

世界のあやとりの内382種類の取り方を説明しているイシノ様のサイトで紹介された取り方を基本に、あやとり同好会の宮脇会員が工夫した簡易版取り方のレシピ(レシピ作成2019.10.22)
①始めの構え→② 左人指で右掌の横ひもを取る→③ 右小指のひもを手前に1回ひねる→④ 右親指のひもを向こうへ1回ひねる→⑤ 右親指で右小指手前のひもを取る →⑥ 右人指で右親指向こうのひもを取る→⑦右親指のひもを外す→右人指のひもを右親指に移す→⑨ 右小指で右親指向こうのひもを取る→⑩ 右人指で右小指手前のひもを取る→⑪ 右小指のひもを外す→⑫ 右人指のひもを右小指に移す→⑬ ③~⑫を2回以上繰り返す→ ⑭左人指のひもを右手で摘んで人指から外して左掌の横ひもの下を通して元の人指にかけ直す→ ⑮右中指と左人指の先をつけて左人指のひもを右中指に移す→ ⑯ 左小指のひもを手前に1回ひねる→⑰ 左親指のひもを向こうへ1回ひねる→ ⑱左親指で左小指手前のひもを取る→⑲ 左人指で左親指の向こうのひもを取る→⑳ 左親指のひもを外す→㉑ 左人指のひもを左親指に移す→㉒ 左小指で左親指の向こうひもを取る→㉓ 左人指で左小指の手前ひもを取る→㉔ 左小指のひもを外す→㉕ 左人指のひもを左小指に移す→ ㉖ 両手間を少し広げて左手で作ったひもの菱形が見えるようにする→(㉗ここで両手間には、左手側に二つの菱形ができ、右手側には3個以上の菱形ができているのを確認)→㉘ カロリン展開(人指の背で親指手前ひもを取って親指を外す→ 親指で下から小指手前のひもと人指手前のひもを取って人指のひもを外す→ 人指の背で親指向こうひもを下から取って その紐を親指で人指に押し付けながら掌を向こうに向けて展開する) 整形して完成
 
 流れ星
日本のシシドユキオ氏が1980年に考案した新作レシピ作成:2018.12.16 
 ①左手の親指と小指に紐をかけて紐の端を手の平側に垂らす→②左掌から下に垂れた紐の枠に右手を入れて、右手首を反時計回りに半分捻って右手を左手方向に平行移動して左右両手の掌を合わせる→③左右の掌を10cmほど離して相対させる→④左親指から垂れた紐を右手親指の腹側で手前側(左親指の外側)から、左小指から垂れた紐を右手小指の腹側(左小指の外側)からそれぞれ引っかけてすくい取り、両手を開いて紐を緊張させる→⑤右掌でX型になった紐の交差部を左手の親指と小指で軽く摘まんでそのまま左親指・子指を伸ばしながら右手指先方向にずらして左親・子指の先にかかった紐を親・小指で取ったことにして両手を開く→⑥右手人差し指(中指でも可)の先で左掌にかかった横紐を下からすくい取って2~3回時計回りの回転させて両手を開く→⑦左手首からひもを外す→⑧両手を開いて調整すると完成
 
 二羽の鶏
オランダのジョン・キーン氏がイヌイットの「二頭のヒグマ」を変化させて考案した新作レシピ作成:2017.2.13 
 ①人差し指の構え→②親指を人指のひも枠に下から入れてひも枠を移し取る→③人指を小指枠に上から入れて小指向こうひもを人指爪側で撥ね取って人指に上下逆になるよう移し取る→④人指を手前~下~向こう側に一回転させて紐を捩じる→⑤小指を親指のひも枠に下から入れて小指背に触れる親指向こうひも(一本)を背側で押しのける→⑥人指ひも枠に下から小指を入れて人指手前の横ひもを小指先を曲げて引っかけたまま、他のひもに触れないように引き下して掌に押える→⑦人指のひも枠に向こうから中指を入れる→⑧親指の手前横ひもに人指を乗せてひもを人・中指で挟む→⑨人指を手前~下~向こうへと回して人指に巻きつける→⑩親指でナバホ取りする(人指からきた紐を外す)→⑪右親指を左親指のひも枠に下(指つけ根側)から入れて紐を移し取る→⑫右親指の2本のひも枠に左親指を下(指つけ根側)から入れて紐を取って共有する→⑬親指で人指手前ひもを取ってナバホ取りし人指を外す →⑭親指のひも枠に向こう(下・指つけ根側)から人指を入れて紐を移し取る→⑮両小指の中間点にある正三角形の斜辺が、底辺横ひもで折れ曲がって左右斜めに伸びてできる斜辺ひもを親指爪側ですくい取る→⑯親指で人指手前ひもを取ってナバホ取りし人指を外す →⑰ひもを整形する→⑱親指の位置を手前~下~向こうへと動かして上下逆に見るように手を動かして完成
 
    竜巻
(オーストラリアアポリジニ) レシピ作成:2013..11.25 
オーストラリアのヨーク州 アポリジニに伝わるあやとりの一つ。初めにカヌーを作ってから竜巻に進む。長い糸が適する

①マレーの構え②人指手前の上下糸の間に親指を入れて、左親指で人指向こうの上糸を、右親指で人指向こうの下糸をそれぞれの指の背で取る③小指を人指の上から回して人指こちら下糸を背側で撥ねて取る④両手の間の三角形を上下に分けて横の走る糸(両方の人指を繋いでいる横糸)の下に向こうから人指をかけて、下→手前→上→向こうへと回して取る⑤親指を外す⑥両手の間にできた小さな三角山の頂角にかかった糸を左側を左親指で右側を右親指の背で取る カヌー完成( 以後糸はゆったり目に張りながら取る)

⑦人指の先にできた小さな三角枠に上方から親指を入れて糸を下まで引き下げて、小指向こうの糸を背側で取って帰る⑧小指糸を外して両手を広げる⑨人指向こう糸の上から、人指と親指を繋ぐ糸にかかった2本の糸の内の小指側の糸(上下で言えば上側の糸)を小指の背側で撥ね取る→糸のバランス・長さを調整する ⑩両人指に繋がった小指に近い方の横糸を、中(人)指の先で向こう→下→手前→上と回し取って、両親指等で形を整える ⑪たつまき完成